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「見えない」って?

目の不自由な人は、どんなことに、こまっているのだろう?
目の不自由な人が近くにいたときに、どんなふうにお手伝いをしたらいいのか、わかるかな?

視覚障害(しかくしょうがい)とは

日本でくらしている視覚障害者(しかくしょうがいしゃ)は、およそ31万人(※)。視覚障害(しかくしょうがい)というのは、病気やケガなどが原因で、目が見えなかったり、見えにくかったりすること。生まれつき目が不自由な人もいるけれど、あとから目が見えなくなったり、見えにくくなったりする人も多い。年れいは関係ないんだ。

まったく見えない人、光は感じられる人、わずかに見える人、一部分だけ見えづらいなど、視覚障害者(しかくしょうがいしゃ)といっても、見え方は人によっていろいろなんだよ。
また、目が見えない・見えづらいだけでなくて、耳が聞こえない・聞きづらいとか、手や足が不自由など、ほかの障害(しょうがい)をあわせて持っている人もいるんだ。

※厚労省「平成28 年 生活のしづらさなどに関する調査 (全国在宅障害児・者等実態調査)結果の概要」

見えないとこまること

たとえば目かくしをして生活したらどうなるか、ちょっと想像(そうぞう)してみよう(あぶないから本当にはやらないでね!)。着がえや食事、トイレ、勉強、スポーツなど、いろいろなことを「見ること」にたよっていることがわかるよね。

なかでも、歩くことは生活の基本。でも、目の不自由な人にとって、一人で安全に歩くのは大変なことなんだ。

目が不自由なことは「不便(ふべん)」だけれど、だからといって「不幸」ではないんだよ。周りの協力や工夫によって、たくさんの人が社会に出て活やくしているんだ。

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「目が見えなくなって家に引きこもったときもあったけど、いまはアイメイトといっしょに仕事場に通っています」(30代・男性)

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「アイメイトが来て、子どもを保育園にむかえに行けるようになりました!」(40代・女性)

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してみよう

さまざまな生活の工夫

身近なところに、目の不自由な人が日常生活を送るための、さまざまな工夫やツールがあるよ。

たとえば……

点字

「点字」とは、目の不自由な人が指でさわって読める文字。駅のきっぷ売り場、エレベーターのボタンなど、いろいろなところで使われている。でも、目の不自由な人が、みんな点字を読めるわけではないんだよ。

パソコン・スマートフォン

音声読み上げソフトを使うと、入力した文字や画面の情報を音で確かめることができる。パソコンにつないで画面の情報を点字にできるディスプレイを使う人もいるよ。

うで時計

目が不自由な人向けにデザインされたうで時計は、フタを開けて、時計の長針・短針の位置を触って確かめることができる。ボタンをおすと音声で時間を教えてくれるタイプもある。

街中で

歩道で見かける、黄色い突起のついた「点字ブロック」。進行方向を示す線のブロックと、注意する場所を知らせる点のブロックがあって、足うらの感覚で確認できる。点字ブロックを、荷物や自転車などでふさがないように気を付けよう。 
ほかにも、音やメロディで歩行者用信号が青になったことを知らせる信号機、駅の改札口や建物の出入り口の場所を知らせる音サインなどもある。街中にどんな工夫があるかさがしてみよう。

そのほか

多くのメーカーがシャンプーの容器にギザギザをつけている。これはコンディショナーと区別できるようするため。また、登場人物の様子や風景などをセリフの合間に音で説明する「音声ガイド付き」の映画(えいが)、ブラインドサッカーなどで使う音の鳴るボール、点字がついたトランプなどもあるんだ。

どんな手伝いができるかな?

もし街なかで目の不自由な人がこまっている様子だったら、「何かお手伝いできることはありますか?」と声をかけてみよう。いきなり体を触るとビックリさせてしまうから、まずは声でよびかけてね。

道をきかれたら……

「まっすぐ行くと駅ですよ」「進行方向とは逆です」など、前後左右を使って道を教えよう。東西南北や「あっち」「そっち」は伝わらないよ。

もうどう犬(アイメイト)使用者は、アイメイトが道の角で止まることで道の本数をかぞえることができる。においや音なども大事なヒントになるから「3つめの角にパン屋さんがあるので、そこを左に曲がります」という風に伝えると分かりやすい。

信号待ちで……

もうどう犬(アイメイト)には、信号の色が変わったかどうかは分からない。だから、アイメイト使用者が、車が通る音や人が歩く気配などで信号が「青」なのか「赤」なのかを判断する。いま信号が「青」でも、とちゅうで「赤」に変わるとあぶないから、すぐにはわたらないで待つこともある。信号でこまっていたら、「いま歩行者の信号は『赤』ですよ。『青』になったらお知らせしましょうか?」と聞いてみよう。

クロックポジションとは……

テーブル上のどこに何があるかなど、方向を伝えるときに便利なのが「クロックポジション」。クロックとは「時計」のこと。針の時計をイメージして、「1時の方向」「9時の方向」というふうに位置や方角を伝えることができるよ。

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「真ん中にハンバーグ、4時の方向におみそ汁、7時の方向にごはんがあります」

声に出して伝えよう

目が不自由な人は、相手が静かだと「そこにいるのかな?」と分からなくて不安になってしまうよ。何か質問されて分からないことがあるときでも、黙らないで「分かりません」って口に出して答えよう。立ち去るときも、ちゃんと「さようなら」って言ってね。いなくなったことに気づかないで話しかけてしまって、目の不自由な人が恥ずかしい思いをすることもあるんだって。

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「真ん中にハンバーグ、4時の方向におみそ汁、7時の方向にごはんがあります」

保護者·教育関係者の皆様へ

「アイメイト・こどもサイト」とは

「アイメイト・こどもサイト」は、ご家庭や教育現場で楽しみながら、アイメイト(盲導犬)に関する正しい知識を学習できるよう制作しました。さらに、アイメイト(盲導犬)に関する内容だけでなく、アイメイト使用者や視覚障害者が感じる「不便さ」や「不自由さ」についても紹介しています。大人と一緒に深く考えることで、子どもたちに思いやりのあるやさしい心が育まれることを願っています。

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当サイトは、小学校5年生以上を対象としています。できるだけ平易な表現を心がけ、漢字をひらがなにしたり、読み仮名をふったりしています。大人の方が、より詳しい情報をご覧になりたい場合、アイメイト協会公式ホームページをご覧ください。

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