開催ご報告
2017年10月29日(日)12:00〜15:00、帝国ホテル本館3階「富士の間」にて、アイメイト60周年記念「第41回アイメイト・デー」が開催されました。
参加者は計629名。うち、アイメイト使用者は97組でした。今回は60周年記念とあって、例年のアイメイト・デーを大きく超える参加者が集まりました。国や自治体の職員、議員、支援企業・団体など、アイメイトに関わる人達が集まり、相互理解や親睦を深めました。
来賓のみなさま
塩屋隆男代表理事からの挨拶(抜粋)
犬が視覚障害者の目の役割をする。そのために犬に何を教えればよいのかと、創設者塩屋賢一が研究を始めたのは1948年でした。そこから河相洌さんとチャンピイという第1号ペアを誕生させるまでに9年間が経過しました。
塩屋賢一と河相洌さん、そしてチャンピイの最初の歩みから60年という今日、盲導犬と使用者を取り巻く環境はどう変わってきたでしょうか。今年3月に発表した調査結果では、法整備が進んだ現在でも、盲導犬を理由に入店拒否などの差別的な扱いを受けた使用者が、じつに6割以上という結果が出ました。
60年前の夏、河相洌さんとチャンピイが歩行指導を終えて滋賀の自宅へ帰るとき、チャンピイはオリに入れられ、貨物として運ばれました。飲食店に入ったり、ホテルに宿泊するなど、考えられない時代でしたし、口輪の装着が義務付けられた時代もありました。
そうした社会に対し、無理解を嘆くだけではなく、粘り強く働きかけ、まずは自分の周囲の人から、そして徐々に遠くの人へと、一人ひとりにアイメイトとはなにか、そして、自由に歩けることがどれほど素晴らしいことかを伝えてきたのは、まぎれもなく当時のアイメイト使用者であり、視覚障害者の方々でした。自由に歩きたい、好きな時にどこにでも自由に出かけたいという、強い意思を持った先人たちが、全国各地で、誰もが認める立派なアイメイト歩行をし、絶え間なく周囲に働きかけてきたことが、その後の法整備につながっていったのです。
先ほど申し上げたように、現在でもまだ、十分に理解が浸透しているとは言えない状況にあります。しかし、逆に言えば、100%ダメという時代から、60年かけて40%前進したのだということでもあります。ゆっくりとした歩みかもしれませんが、いま、私たちの時代、そしてこれからの時代を見据えた時、これをさらに前進させることが、いま私たちがなすべきことではないでしょうか。
私たち協会は、自由に歩きたい、一人で歩きたい、自立歩行を実現したいという視覚障害者の方々のために存在します。そこに歩きたいという方がいる限り、世界中どこでも、その方の思いを全力でサポートします。
それこそがまさに私たちの本業であり、この本業において実績を上げることがご支援くださる皆様への感謝の意を表すことと信じております。次の70周年には1500組を超える実績となるよう、協会職員一丸となって進んでいくことをお誓いして挨拶とさせていただきます。