1949年創業、銀座のインド料理専門店
アイメイト協会の銀座での歩行テストは、創設者である塩屋賢一さんが1960年代初めから行ってきたもの。「日本一の繁華街である銀座を歩いた」ということが使用者にとって大きな自信や喜びにつながるのを感じて、現在に至るまでアイメイト協会の伝統として続いています。
当時はまだ、バスや飲食店などでアイメイト同伴が拒否されることも多くあった時代。そんななかで、1961年に初めて公式にアイメイト同伴での入店を受け入れたのが「ナイルレストラン」でした。
実は、塩屋さんが「ナイルレストラン」と出合ったエピソードが面白いんですよ。銀座近くの病院に入院していた塩屋さんは、なんとこっそり病院を抜け出しては外食をしていたそう。そのときに「ナイルレストラン」のおいしさに衝撃を受けて常連客になったのがきっかけだったんですって!

そんなご縁から、ナイルレストランの創業者のA.M.ナイルさんがアイメイト使用者さんのことを知り、社会参加に協力してくれたのですね!
アイメイト使用者さんも常連のお店
現在は、創業者A.M.ナイルさんの孫にあたる三代目、ナイル善己(よしみ)さんがナイルレストランを継いでいらっしゃいます。さっそくお話をうかがいました。

アイコ:銀座での歩行テストが終わったあと、毎回アイメイトを連れてみなさんがお店にランチを食べに来るそうですね。
ナイル:はい。これは祖父の代のときからずっと続いています。昔はアイメイト同伴だと入店を断るお店も多かったそうです。でも祖父は、「アイメイトが人間の目の代わりをしているんだから、人間の一部なんだよ」と言っていました。私はまだ小さかったのですが、そんな言葉を覚えています。
ナイルレストランでは入口にスロープを設けたり、トイレの段差もなくしたりていて、アメイト使用者さんだけでなく、車椅子ユーザーの方なども入りやすくしているんですよ。ペットはダメですが、アイメイトなどの補助犬はもちろんウェルカムです。

アイコ:アイメイト使用者さんとのエピソードは何かありますか?
ナイル:歩行テストでうちに来たのがきっかけで、常連になって通ってくださるアイメイト使用者さんも何人かいらっしゃいます。うちの味にハマって、ずっと来てくださいます。遠いところだと北陸から毎年食べに来てくださる人もいるんですよ。
うちのお店が入りやすいから、というのも理由のひとつだと思います。スタッフもみんな慣れているので、ひじを持ってもらってご案内できます。そして、定番の「ムルギーランチ」は骨付き肉ですが、お客様の目の前でスタッフが骨を外し、食べやすいようにして提供しているメニューなんです。
アイコ:食事の間、アイメイトは使用者さんの足元でおとなしくしていますよね。
ナイル:すごくお行儀よくて静かだから、アイメイトがいることを忘れてしまうくらいです。ほかのお客さんも温かく見守っているみたいですね。
アイコ:ナイルレストランのお料理の特徴についても教えてください。
ナイル:創業者が南インドのケララ州出身で、ルーツは南インドです。南インド料理は、さらっとしたカレーをごはんで食べるのが特徴。日本でインド料理というとナンがよく知られていますが、あれは北インドの宮廷料理で南インドはちょっと違います。
定番の「ムルギーランチ」は、創業当初である76年前のレシピからほとんど変えていません。スパイスでじっくり煮込んだ骨付き鶏肉と、つけ合わせのキャベツやマッシュポテト、ごはんを全部混ぜて食べます。

ナイル:もともと南インドには「ミールス」というワンプレートにさまざまなカレーをのせた料理があるのですが、祖父はそれを定食風にしたかったのだろうと想像します。このメニューができたのは戦後間もないとき。食品もスパイスも十分ではないなか、当時手に入れることのできる最高の材料でつくったのが、ムルギーランチなんだと思います。
アイコ:とても長い歴史のあるメニューなんですね。柔らかく煮込まれた鶏肉がおいしそうで、アイメイト使用者さんがリピートして食べにくるのも納得です! 貴重なお話をありがとうございました。
アイメイト使用者さんからは、こんなコメントもいただきました!
『歩行テストが終わるまでは、上手くコースを歩けるかなと心配なので、無事にゴールしてナイルレストランに来るとホッとするんです。料理もおいしいですよね』
『いまのアイメイトで3頭目なので、歩行テストを受ける度にナイルレストランに来ていますが、歩行テスト以外のときも、ここのカレーの味が懐かしくなってアイメイトと一緒に食べに来ることもあるんですよ』
ランチタイムには行列ができるほど人気の「ナイルレストラン」。65年も前からアイメイトの入店を受け入れ続けてきたなんて、すごいですよね!
いまでは飲食店などで補助犬の入店を拒否してはいけないという法律がありますが、「当たり前のこと」として自然に接するナイルレストランのようなお店が広がって欲しいなと思いました。
2026年6月22日公開








