4週間にわたる歩行指導合宿の様子をレポーター・アイコがお伝えするコラムです。卒業後の暮らしに向けて、獣医師さんからアイメイトの健康管理について学びます。
卒業に向けて健康状態をチェック
合宿も3週目のある朝、何やら生徒さんたちがアイメイトと一緒に車に乗って出かけて行きました。向かったのは、アイメイト協会の診療施設。室内では嘱託の獣医師さんとスタッフさんたちが健康診断の準備をしています。
今日は、アイメイトの体重測定、血液検査、目や耳、股関節など、さまざまな健康診断を行う日なんです。
卒業前に健康診断も行っているんですね。嘱託の獣医師さんは、アイメイトの育成にずっと携わってきた方だと聞きました
そうなんです。アイメイト協会の創設者が盲導犬育成を始めた頃からアイメイトの健康を診てきた経験豊富な獣医師さんなんですよ。アイメイトの健診は、訓練開始前、訓練中、そして歩行指導を始める前にも行っています
まずは、診察台の上にアイメイトを載せて体重測定。どれどれ、合宿中に体重は変わったかな……??アイメイトの隣には、パートナーである生徒さんが付き添っています。
採血のときは、動かないように生徒さんがアイメイトをやさしく抑えていました。獣医師さんは手慣れた様子で、スムーズに検診を行っていきます。
「一日でも長く一緒に過ごせるように」
ひと通りの検診が終ると、獣医師さんから生徒さんに卒業後の健康管理についての指導を行います。
「朝起きたら、すぐにアイメイトの耳を握って、犬の皮膚温を身体で覚えてくださいね」と獣医師さん。日々、アイメイトの健康状態に気を配り、体温や体調の変化にいち早く気づくことも使用者の役割なのです。
獣医師さんのお話は、ワクチンや感染症のことから、食事、熱中症の注意、さらには外出中にチューインガムを踏んでしまったときの足裏の洗い方(!)にまで及びました。
生徒さんたちも熱心に耳を傾けて、分からないことがあれば積極的に質問します。あとから確認できるように、指導内容を録音したり、点字の機器でメモをとったりする姿も。
「卒業してからも健康について心配なことがあれば連絡してください。みなさんが一日でも長くアイメイトと一緒に過ごせるよう願っています」
そんな獣医師さんの言葉に、思わずアイコもジーン……。アイメイトは、たくさんの人たちに支えられているんだなあと、あらためて感じたのでした。
次は、生徒さんによる初めての「犬洗い」について紹介します!
2019年11月30日公開