4週間にわたる歩行指導合宿の様子をレポーター・アイコがお伝えするコラムです。今回は、アイメイト協会伝統の銀座歩行テスト。終わったあとは、恒例の「あの場所」へ・・・
日本一の繁華街を歩く
歩行指導合宿の終わりも見えてきた頃、アイメイト協会伝統の「銀座歩行テスト」が行われます。
アイメイトと一緒に電車に乗って移動し、覚えてきた道順に従って銀座の大通りを一人ずつ歩くのです。慣れない繁華街をアイメイトと初めて歩くテストとあって、生徒さんたちの緊張もかなり高まっている様子・・・。
アイメイト協会の銀座歩行テストの『伝統』は、いつから始まったものなのですか?
1960年代初めには、アイメイト協会創設者である塩屋賢一が銀座での歩行テストを行っています。『日本一の繁華街である銀座を歩いた』ということが使用者にとって大きな自信や喜びにつながることを感じて、それ以来ずっと銀座での歩行テストを続けているんですよ
スタート地点に着いたら、まずは指導員の前で覚えてきた道順を復唱します。なんと、道順は前夜に口頭で伝えられたきり。みなさん、ちゃんと覚えていることにビックリです!でも、歩いている最中に道が分からなくなってもマイナスにはなりません。迷ったときに自分の力で解決できるかどうかが、一番大切なポイントなのです。
4週間の歩行訓練を通じて、生徒さんたちは自分自身で考え、アイメイトに落ち着いて指示を出す力を身につけきました。基本を守れば、初めての場所でも安全に歩くことができるんです
なるほど~! 「リラックスして、これまでの訓練の成果を発揮できますように……」。アイコも祈るような気持ちで出発する生徒さんを見送りました。
ゴールでの握手に思わずほろり
しかも、この日はあいにくの小雨。雨の日はレインハットをかぶっていることもあり、使用者は周囲の音が聞きづらくなります。
歩いている最中、行き交う人の傘にあたりそうになる生徒さん。交差点で一瞬方向を見失う場面もありました。それでも、冷静に周囲の人に道を尋ねて、アイメイトに指示を出し、しっかりとゴールまで歩いていきます。
アイメイトとの初対面から4週間。最初はぎこちなかったペアが、こんなに堂々と一緒に歩けるようになるなんて・・・!!
ゴールとなる交差点では、指導員が「おかえりなさい」と生徒さんの到着をお出迎え。声をかけられて、握手をした瞬間にホッとして涙ぐむ生徒さんも。思わずアイコも、もらい泣きです!
恒例の「ナイルレストラン」へ
この日は、全員が無事に歩行テストを終了! そのまま、アイメイト協会の理事長、指導員と生徒さんたちが訪れたのは、恒例の「あの場所」。
そう、それは銀座のインド料理店「ナイルレストラン」なんです。どうして、インド料理?と思うでしょうか。実は、ここは日本で初めてアイメイトの入店を受けいれた飲食店なんです。それは、なんと1961年のこと。国によって、盲導犬を伴った人の入店拒否をしないように指導が行なわれる約20年も前の出来事なんですって。
銀座での歩行テストのあとは、ナイルレストランでランチをするのがアイメイト協会の恒例。茶目っ気たっぷりのお店のご主人が、生徒さん一人ひとりに応援の言葉をかけていました。卒業後も「思い出のレストラン」として、家族で立ち寄るアイメイト使用者さんがいるという話にも納得です。
伝統の銀座歩行テストを終えて食べる名物カレーは、記憶に深く残るおいしさに違いありませんよね。
さあ、いよいよ卒業まで、あと2日です!
2019年12月26日公開