連載 アイメイト協会の歩行指導 4週間密着レポート

(10)卒業式 アイメイト(盲導犬)と帰宅

4週間にわたる歩行指導合宿の様子をレポーター・アイコがお伝えするコラムです。卒業試験も無事に終えて、4週間の合宿もとうとう今日が最終日。アイメイトと一緒に家に帰る日がやって来ました。

入校式と同じ場所で・・・

合宿最後の日となる土曜日。無事に卒業試験を終え、晴れてアイメイト使用者となった生徒さんたちの卒業式が始まります。

生徒さんたちが集まったのは、初日の入校式と同じ部屋。でも、違うのはこの4週間のなかでパートナーとなったアイメイトが足元にいることです。初対面のときのぎこちなさはなくなり、すっかりペアで並ぶ姿がなじんでいます。

いつの間にか隣にいるのが自然な風景に

思えば、いろいろなことがありました。緊張が伝わってくるような初日、アイメイトになる犬との出会い、最初は声符がうまく通じないこともありました。おっかなびっくりだった初めてのシャンプー、そして銀座の歩行試験後にみんなで食べたカレーの味・・・。いまでは堂々とアイメイトに声符で指示をしている生徒さんの姿を見ていると、あれれ、なんだかアイコの視界がうるんできます~(グスン)。

「卒業しても基本をかみしめて、アイメイトと一緒に出かけてほしい。何かあればいつでも協会に連絡をください」と代表理事。

卒業式には代表理事や歩行指導員、職員だけでなく、多くの支援者や卒業生も駆けつけて、生徒さんたちの卒業を祝福していました。

そして、別れを惜しみながらも、一人ひとりと握手をして、4週間の歩行指導合宿は終了です。

真新しい引き紐は、生徒さんが歩行指導初日に作り方を習って手作りしたもの

アイメイトとの帰宅。今日からがスタート!

さて、この卒業式が終わったら、生徒さんたちはそれぞれの家まで、アイメイトと一緒に自力で帰らなくてはいけません。

北海道から沖縄まで、全国各地から来ている生徒さんたち。つまり、飛行機に乗る人もいれば、バスを乗り継ぐ人もいるということ・・・。

えええ! 自宅が遠い生徒さんもいると思うのですが、いきなり大丈夫なんですか?

これから皆さんがアイメイトと出かけるのは、慣れた場所ばかりとは限りません。そのために4週間の歩行指導を重ねてきたんです。帰宅した後も、不安や疑問があるときには協会が相談にのっていますよ

そう、卒業したら終わりではなく、今日からがアイメイト歩行の本当のスタートなんです。

アイメイト協会がめざすゴールは「視覚障害者が、白杖や晴眼者の助けなく、犬とだけで単独歩行できること」。これからアイメイトと一緒に、いろいろなところへ出かけていってくださいね!

これでアイコの『歩行指導4週間密着レポート』も終わりです。ありがとうございました!

2020年2月4日公開