連載 アイコがレポート! アイメイト協会を支えるボランティア家庭

不適格犬奉仕 アイメイト協会を支えるボランティア家庭

繁殖奉仕の家庭で生まれ、飼育奉仕のもとで育ったアイメイト候補犬は、いよいよ協会に戻ってアイメイトになる訓練を受けます。けれど、なかには、乗り物に酔ってしまう、臆病で大きな音にびっくりしやすい、新しい場所に慣れるのに時間がかかるなど、性質や特徴などがアイメイトに向かない犬もいるのだそうです。

 

歩行指導員:
「アイメイトは、どんなときでも落ち着いて行動できることが大切。アイメイトになるにも向き不向きがあるんですよ」

こうした性質や特徴は、訓練のなかで改善されることもあります。最終的には、それぞれの犬の性格、資質、体質をみながら、アイメイトとして活躍するのか、家庭犬として引き取られるのか、どちらがその犬にとって適しているのかを判断します。

そして、アイメイトには向いていないと判断された場合には、「不適格犬奉仕」のボランティアさんのもとに引き取られるのです。アイメイトには向いていなくても、穏やかで人なつこい性格の犬が多いので、それぞれのボランティアさんのもとで家庭犬として愛されているんですよ。

 

不適格犬奉仕のもとで、家庭犬として幸せに過ごす(写真提供:中村敬人さん)

 

不適格犬奉仕家庭の中村敬人さんに聞きました

アイコ:不適格犬奉仕の活動を始めたきっかけは何ですか?

中村さん:以前にラブラドール・レトリーバーを飼っていたことがありました。シニア世代になり、また子犬から育てるのは大変なので、成犬の保護犬がいたら引き取りたいと思っていたんです。そうしたら、たまたま練馬区役所で開催されていたアイメイト協会のイベントで奉仕家庭のことを知り、リタイア犬を引き取ることになりました。その後、いまの不適格犬奉仕の依頼があり、ボランティアとしての飼育は2頭目です。

アイコ:飼育にあたって、ほかの家庭犬と違う点はありますか?

中村さん:私自身は、不適格犬になった理由を詳しく知らないのですが、ちょっと「ビビリ」で、ボール遊びが大好きなところかな?と思っています。アイメイトには向いていなかったかもしれませんが、日常生活にはまったく問題ありません。問題がないどころか、とても優秀で利口です。

アイコ:どんな風に犬と過ごしていますか?

中村さん:朝の散歩は私、夕方の散歩は妻が担当しています。「ワン・ツー」の指示でトイレをしてくれるし、基礎訓練もできているので、とても楽ですね。少し甘えん坊なところがあって、大きな体なのに私の膝に乗ろうとするんですよ(笑)。

ボール遊びが大好きな甘えん坊(写真提供:中村敬人さん)

中村さん:車に乗せて山に行くこともあります。最初に車に乗せたときには、アイメイトの訓練の習慣で私の足元に座ろうとしていましたが、いまでは後部座席のケージに自分から喜んで入ります。この間、3歳の誕生日を迎えたばかり。少しずついろいろなところに連れて行ってあげたいと思っています。

遠出をするときも一緒(写真提供:中村敬人さん)

2021年3月10日公開