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アイメイト(盲導犬) ウェイ 盲導犬の歩行指導法

アイメイト協会の盲導犬の歩行指導法。盲導犬がパートナーとして協会を巣立つまでのストーリーです。アイメイト(盲導犬)の育成と歩行指導を通じて、視覚障害者の自立を支援する協会のサイトです。 メニューをスキップして本文へ

盲導犬
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アワ ウェイ 私たちの歩行指導法

訓練されたアイメイトをパートナーとしていっしょに歩くために、主人となる視覚障害者には学ばなければならないことが山ほどあります。視覚障害者とアイメイトが協会を巣立っていくまでの、28日間のストーリー。


1日め。協会3階の研修室に、3~4名の視覚障害者の姿があります。これから4週間にわたる歩行指導を前に、入校式が行われているのです。緊張と不安と期待の入り交じった面持ちの生徒たち。協会の理念や心構えなどについて、理事長や歩行指導員から説明を受け、歩き方の癖などがチェックされます。歩行指導は、通学ではなく合宿形式です。生徒たちは、協会スタッフの声を頼りに、それぞれの部屋へと向かいます。

2日め。朝9時半。いよいよ、アイメイトとの初対面です。パートナーの組み合わせは、生徒とアイメイトそれぞれの性格を見極めて決められます。犬についての基本的な説明を受けたあと、一旦、アイメイトといっしょに部屋へと戻ります。生徒と犬だけで初めて過ごすこの時間を「ハネムーン」と呼んでいます。いろんなことを犬に語りかけ、「よろしくね」と自己紹介するのです。そして午後から、実際の一般路上での歩行がはじまります。

3日め。朝6時に起床し、洗面や着替えなどの身支度を整えたら、なにより先にまずやるのは、外に出てアイメイトに排便させることです。生徒はアイメイトのハーネスを外して引きひもだけで、「ワン・ツー」と言いながら自分の周囲をグルグルと回るように歩かせます。これが「排泄してもいいよ」という合図です。「ワン(おしっこ)」なのか「ツー(うんち)」なのかは、背中の曲がり具合で判断します。「ツー」ならシッポの手前に足を置いておき、その少し先を探って、ビニール袋などに始末します。これがきちんとできなければ、一人の責任ある社会人として、アイメイトと暮らすことは許されません。

これは、歩行指導コースの一部である吉祥寺駅構内の位置関係を、手で触れてイメージするための模型。「触地図」と呼んでいます。 8時半からお昼までのあいだ、アイメイトとの歩き方の基本を習得するために、歩行指導と基礎訓練を行います。どこでも応用できるように、教習所のようなコースは協会内に設けていません。協会周辺の道路、歩道橋、交差点からスタートし、徐々に難易度をアップ。繁華街やレストラン、エスカレーターやエレベータ、駅改札の出入りやホームでの電車の乗降、クルマの乗り降りなど、あらゆる歩行シーンを想定した街中のコースを歩行指導員と共に歩きます。1日に歩く距離は、1週めは2~3kmですが、少しずつ増やしていき、4週めになると5~10km。4週間でじつに130kmもの行程になります

同じく午前中には協会内や周辺での基礎訓練も行います。「door(ドアノブを探す)」「fetch(とってくる)」「bridge(階段前で止まる)」など約30種類の指示語を覚え、アイメイトに的確な指示を出すための訓練です。うまくできたときの褒め方や、できなかったときの叱り方も、歩行指導員が生徒たちに教えます。正しい動きができなければ、自分にもアイメイトにも、さらには周囲の人にも事故などの危険がおよびますから、叱ることをためらってはいけないのです。昼食をはさんで午後1時から再び、夕方まで歩行指導と基礎訓練を行います。

5時から入浴や夕食で一息ついたあと、7時半から9時まで座学の講義を行います。内容はアイメイトの心理や健康・衛生管理など、犬についてのことだけではなく、生徒自身の日常生活指導にまでおよびます。たとえば、骨のある魚の食べ方、フォークやナイフの使い方、日没後は部屋の明かりを点けることなど。視覚障害者として自立し、社会に融け込むための姿勢を大切にしているのです。講義のあと、外に出てアイメイトに排泄をさせると、長かった1日がようやく終わります。

こうした毎日を重ねていくうちに、最初は不安でいっぱいだった生徒たちの顔に、自信が見られるようになります。それはそうです。アイメイトと心が通じ合い、信じられないくらいの速度で歩けるようになっていくのですから。

そして26日め。これまでの歩行指導の成果が試される「卒業試験」が行われます。吉祥寺から中央線快速に乗り、東京駅で山手線に乗り換えて、有楽町で下車。銀座4丁目から京橋方面へと銀座通り沿いを歩き、4つめの交差点で銀座通りの反対側歩道へと渡り、銀座4丁目交差点の三越前に折り返してくるというコースです。華やかなショーウィンドウが連なり、道行く人で賑わう街並みを、一歩ずつ歩いていく生徒とアイメイト。無事、三越前へと戻ってきたとき、この4週間で初めて、歩行指導員の厳しかった表情が笑顔へと緩みます。

28日め。卒業式で盲導犬使用者証を授与されると、生徒たちは正式に「アイメイト使用者」になります。アイメイトとともに一人で電車に乗り、それぞれの自宅へと帰っていく使用者たち。心は、これまでになかったプランに満ちています。「どんなところに出かけようか」「どんなふうに人生を歩んでいこうか」。これから先は、アイメイトをパートナーに、自分で道をきり拓いていくのです。

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